top of page

【後から視聴可能】第94回(10/31)「ネオリベラル・フェミニズムの誕生」刊行記念トーク ゲスト: 河野 真太郎さん

  • satokonagayamaroom
  • 2025年12月29日
  • 読了時間: 3分

アーカイブ購入はこちら


  キャサリン・ロッテンバーグ『ネオリベラル・フェミニズムの誕生』は、これまで英米の学問的フェミニズムで培われていたポストフェミニズムをめぐる議論に新たな一頁を記すものです。フェミニズムの目的が新自由主義的資本主義に奉仕し、それが限定を加えられることを批判的にとらえるのがポストフェミニズム論ですが、ロッテンバーグはとりわけ2010年代に新たに可視性を得たブルジョワ・フェミニズムを「ネオリベラル・フェミニズム」の名の下に分析しました。そこでは再生産労働をめぐる矛盾が「仕事と家庭のバランス」の例外的な個人による実現という理想像によって解消されます。これは、「ワーク・ライフ・バランス」が叫ばれ始めて20年の日本の状況にとっても重要な論点となるでしょう。

 本書の問題提起は、フェミニズムが資本と国家の結託した要請にいかに従属するようになってしまっているかという問題提起だとも言えます。先の参議院選挙にも見られたように、かなり保守的な女性性がポピュラーに回帰している状況は、単なるバックラッシュとしてとらえるのではなく、ネオリベラルな資本主義と国家主義の輻輳の観点からとらえるべきでしょう。そのような考察にも本書は役立つはずです。



第94回(10/31)「ネオリベラル・フェミニズムの誕生」刊行記念トーク ゲスト: 河野 真太郎さん

河野真太郎さん 専修大学国際コミュニケーション学部

専門はイギリス文学・文化、ジェンダー論とカルチュラル・スタディーズ。著書に『ぼっちのままで居場所を見つける』(ちくまプリマー新書)、『増補戦う姫、働く少女』(ちくま文庫)、『新しい声を聞くぼくたち』(講談社)、『はたらく物語』(笠間書院)など。


<本書の紹介>


20代ではキャリアを、30代では育児を。すべてが女性の肩にのしかかる「自己責任化」を促す、ネオリベラルなフェミニズムの出現とは? 果たしてそれはフェミニズムと呼べるのか? Facebookの元COOシェリル・サンドバーグやイヴァンカ・トランプらのエッセイ、マミー・ブログやドラマ等を分析し、若い女性たちに示される「幸せな」人生の選択肢とその隘路を問う。アメリカ・フェミニズムのいまを映し出す待望の邦訳。


「教育があり階級上昇を志向する女性を総称的な人的資本へと完全に変換してしまうことに対して、ネオリベラル・フェミニズムはある種の対抗として機能していると理解されねばらない(…)。ネオリベラル・フェミニズムは、逆説的に、また直感に反するかたちで生殖=再生産を「上昇志向の」女性たちの規範的な人生の道筋の一部として保持し、バランスをその規範的な枠組みかつ究極の理念とすることによって、ネオリベラリズムを構成する本質的な矛盾の一つを解消する手助けをする。」(本文より)


原著: Catherine Rottenberg, The Rise of Neoliberal Feminism, Oxford University Press 2018.

コメント


bottom of page