第94回
10/31
「ネオリベラル・フェミニズムの誕生」刊行 記念トーク
ゲスト: 河野 真太郎さん
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キャサリン・ロッテンバーグ『ネオリベラル・フェミニズムの誕生』は、これまで英米の学問的フェミニズムで培われていたポストフェミニズムをめぐる議論に新たな一頁を記すものです。フェミニズムの目的が新自由主義的資本主義に奉仕し、それが限定を加えられることを批判的にとらえるのがポストフェミニズム論ですが、ロッテンバーグはとりわけ2010年代に新たに可視性を得たブルジョワ・フェミニズムを「ネオリベラル・フェミニズム」の名の下に分析しました。そこでは再生産労働をめぐる矛盾が「仕事と家庭のバランス」の例外的な個人による実現という理想像によって解消されます。これは、「ワーク・ライフ・バランス」が叫ばれ始めて20年の日本の状況にとっても重要な論点となるでしょう。
本書の問題提起は、フェミニズムが資本と国家の結託した要請にいかに従属するようになってしまっているかという問題提起だとも言えます。先の参議院選挙にも見られたように、かなり保守的な女性性がポピュラーに回帰している状況は、単なるバックラッシュとしてとらえるのではなく、ネオリベラルな資本主義と国家主義の輻輳の観点からとらえるべきでしょう。そのような考察にも本書は役立つはずです。
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概 要
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日 時:2025/10/31 Fri 19:00-21:00
参加費:1,500円
方 法:会場参加、またはオンライン配信(YouTube)
オンライン配信のURLは、開始直前にメール・DMにてお送りいたします。
※会場参加チケットから、オンライン配信チケットへの変更は随時可能です。DM等で主催者へご連絡ください。
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ゲスト
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河野真太郎さん 専修大学国際コミュニケーション学部
専門はイギリス文学・文化、ジェンダー論とカルチュラル・スタディーズ。著書に『ぼっちのままで居場所を見つける』(ちくまプリマー新書)、『増補戦う姫、働く少女』(ちくま文庫)、『新しい声を聞くぼくたち』(講談社)、『はたらく物語』(笠間書院)など。
<本書の紹介>
20代ではキャリアを、30代では育児を。すべてが女性の肩にのしかかる「自己責任化」を促す、ネオリベラルなフェミニズムの出現とは? 果たしてそれはフェミニズムと呼べるのか? Facebookの元COOシェリル・サンドバーグやイヴァンカ・トランプらのエッセイ、マミー・ブログやドラマ等を分析し、若い女性たちに示される「幸せな」人生の選択肢とその隘路を問う。アメリカ・フェミニズムのいまを映し出す待望の邦訳。
「教育があり階級上昇を志向する女性を総称的な人的資本へと完全に変換してしまうことに対して、ネオリベラル・フェミニズムはある種の対抗として機能していると理解されねばらない(…)。ネオリベラル・フェミニズムは、逆説的に、また直感に反するかたちで生殖=再生産を「上昇志向の」女性たちの規範的な人生の道筋の一部として保持し、バランスをその規範的な枠組みかつ究極の理念とすることによって、ネオリベラリズムを構成する本質的な矛盾の一つを解消する手助けをする。」(本文より)
原著: Catherine Rottenberg, The Rise of Neoliberal Feminism, Oxford University Press 2018.




第96回
11月28日(金)
「中国の一人娘を可視化する」
『現代中国女性のライフコース 一人っ子世代の親子関係と家族意識を読み解く」刊行記念トーク
19時から21時まで(あとから配信あります)
ゲスト:陳予茜(ちん よせん)さん
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1979年から2015年まで実施された中国の一人っ子政策のもとに生まれた世代は、長らく中国国内外の研究者の注目を集めてきました。しかし二人っ子や三人っ子政策への移行にともない、その関心は薄れつつあります。成人後の一人っ子の人生や親子関係、家族意識については、まだ解明されていない部分が多く残されています。特に一人娘は、中国の父系親族規範やジェンダー不平等な社会構造の中で育ちながらも、その姿が見えにくいままです。今回のイベントでは『現代中国女性のライフコース——一人っ子世代の親子関係と家族意識を読み解く』をもとに、これまで不可視化されてきた一人娘たちを可視化し、その意味を考えていきます。
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概 要
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日 時:2025/11/28 Fri 19:00-21:00
参加費:1,500円
方 法:会場参加、またはオンライン配信(YouTube)
オンライン配信のURLは、開始直前にメール・DMにてお送りいたします。
※会場参加チケットから、オンライン配信チケットへの変更は随時可能です。DM等で主催者へご連絡ください。
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ゲスト
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陳予茜(ちん よせん)さん 流通経済大学
中国出身。一人っ子政策が最も厳格に実施する最中の1990年生まれです。漢民族(一人っ子政策は、漢民族以外の少数民族は対象外でした)。2011年の東日本大震災の直後に来日し、大学、大学院、非常勤講師を経て、現在は流通経済大学に勤務しています。専門は家族社会学、ジェンダー研究です。




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・東京大空襲
・イスラエルによるパレスチナ虐殺
・部落差別とジェンダー
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