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日本の歴史なんて、もう研究しつくされているのでは?
そう言われることも多いのですが、実はまだまだ未開拓の領域があります。その一つがクィア史です。なかでも女性同性愛の歴史については、研究されていることよりも、されていないことのほうが、はるかに多いと感じています。私はこれまで民衆史と呼ばれる研究をしてきましたが、その視点を持ちながら、女性同性愛の歴史研究に挑戦してみたいと思っています。なぜ挑戦してみたいのか?
なぜこれまで研究されてこなかったのか? どんな史料が残っているのか? 歴史を明らかにすることに、どんな意味があるのか?
どれについても、明確な答えがあるわけではありません。でも少しずつ言葉にして、話題にして、みんなで考えはじめることが大事だと思っています。
▶︎藤野裕子
早稲田大学文学学術院
専門は日本近現代史。著書に『都市と暴動の民衆史』(有志舎、2015年)、『民衆暴力』(中公新書、2020年)など。
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