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音楽と言えば、ジェンダーと無関係だと思う人が多いと思います。しかし、洋の東西を問わず、音楽実践にジェンダーは深く関わっています。例えば、 ヨーロッパの近代市民社会では、「良家の子女」にとってピアノが弾けることは必須の素養で、良き「持参金」と見なされていました。開国後の日本は、西洋音楽の響きとと もに、このイメージも受け入れていきます。
しかし、近代日本の場合、一方で「ピアノを弾く少女」は「良妻賢母」イメージと結びついていましたが、他方で西洋音楽受容の最初期から活躍する女性職業音楽家も存在しました。それは、音楽の分野がジェンダーフリーだったことを意味しません。むしろ、音楽が纏っていたジェンダーイメージゆえだったと考えられます。
女性たちの音楽実践には、幾重にもジェンダー規範が絡まっているのです。今回は、ドイツを中心としたヨーロッパとの比較もまじえながら、その一端を解きほぐしていきます。
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ゲスト:玉川裕子さん(桐朋学園大学音楽学部)
1959年生。桐朋学園大学音楽学部教授。4歳の時よりピアノを習い、音高、音大進学。音大卒業後に食べていけない現実に直面し、その背景を探るべく、女性と音楽の関係に着目し、ジェンダー視点からの音楽史研究(主に近代ドイツと日本)に取り組む。著書『「ピアノを弾く少女」の誕生――ジェンダーと近代日本の音楽文化史』(青土社、2023年)他。
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